会社設立は誰に依頼するべきか?自分で出来るか?

 誰に会社依頼をするのか

先に言っておくと会社設立を自分でやるべきではありません。

巷ではFreeeとかのソフトを使うと自分で会社設立できちゃう♪とか言います。それは本当ですが、全く簡単ではありません。少なくとも俺の頭では簡単ではありません。

そもそもはソフトなんて使わなくても、自分で調べれば法的なたいていのことはできます。でもそれを自分でしないのは時間をお金で買うからです。

すなわち、その道のプロに任せた方が間違いなく上手くいきます。断言できます。

会社設立のプロ一覧

自分でやらないとすると専門家に依頼するのが良い。ただ、実は会社設立の専門家は数多い。

  • 弁護士
  • 司法書士
  • 行政書士
  • 税理士
  • 公認会計士
  • 社会保険労務士

ざっと挙げただけでも6種類もある。

会社を作るには主に「定款を作る」、「登記する」の2つが必要なのでそこもあわせて見ていこう。なお、定款を作るとか小難しいことを言っていますが、要するに

  • 書類を作る
  • その書類を法務局に持っていく

と考えてくれれば大体OKです。後は専門家がやってくれます。

1.会社設立を弁護士に依頼する場合

会社設立を弁護士に依頼するのは良い選択かもしれない。弁護士はあらゆる意味で最強です。法的には一番強い職業なので弁護士に依頼するだけで大抵の問題は解決します。弁護士は高いというイメージがありますが・・・本当に高いです。ですが、会社設立に関して言えば、他の選択肢に比べてもそれほど高くない、というのが正直な感想です。ざっくり言うと25万円くらいで会社設立をやってくれます。

将来的に顧問をお願いするかも、法的な紛争があったときに頼りになるので今のうちから付き合っておこうと考えるのは悪い考えではないと思います。

ですが、思うのです。弁護士は今のタイミングでなくてもいいと。会社設立を今からするわけですよ。今まで個人事業主だったのか、脱サラして即会社設立なのかによって違うのかもしれませんが、法的な紛争はそんなにありません!弁護士に高い顧問料を支払うくらいなら最初はもっと違うことに投資しようよ!と思います。

よって、弁護士に会社設立するくらいなら他の選択肢を探そうと思います。

2.司法書士に会社設立を依頼する場合

司法書士は法律という意味では弁護士よりも弱いイメージですが、実際、法律関係で言うと弁護士には全く適いません。ですが、会社設立においては司法書士は登記できるというのが強みです。

そして、司法書士は弁護士に比べ若干安い(感覚値です)。ざっくり感ですが、24万円くらい?本当に弁護士よりも安い、くらいです。

登記できるというのは実はかなり便利で、色んな手続きを丸投げできます。役所に行く事も法務局に行く事もありません。全部丸投げ出来ます。まさにタイムイズマネー。弁護士と司法書士の違いは法律の分野が違うこと、裁判で大きな事を争う場合には弁護士は必須です。一方、身近なトラブルは司法書士でも十分に対処できることが多いです。

裁判で法廷に立つことが出来るのも弁護士の強みです。

ですが、会社設立にはそんなことは一切関係ありません。よほど良い弁護士でない限り、司法書士に依頼しても変わりません。

よって、会社設立をする際にはもうちょっと検討しても良いと思います。

3.行政書士に会社設立を依頼する場合

調べて驚いたのが、行政書士にも会社設立を依頼できる事。というよりほとんどの士業で会社設立ができる事。

行政書士の強みは許認可手続きができる事です。

具体的には飲食業とか建築業とかが対象ですね。

許認可手続きが必要と言うことは、他の士業に依頼しても結局、裏側では行政書士に依頼するということです。だったら最初から行政書士に会社設立を依頼するというのは正しい選択に思えます。

逆を言えば、許認可が必要なければ行政書士に依頼するメリットは何もないとも言えます。安いならありかもしれません。

もうちょっと見てみましょう。

4.税理士に会社設立を依頼する場合

税理士には3つの独占業務があります。すなわち

  • 税務代理
  • 税務書類の作成
  • 税務相談

です。要は、納税者に代わって税務申告できるし(税務代理)、税務書類を作って提出できる(税務書類の作成)。税務に関する相談にのることができる(税務相談)ということです。

この3つは税理士の独占業務なので、会社を運営する上で切り離せない税金対策という意味では最強です。確定申告や領収書をどの科目で落とせるかなど細かいことも相談できるので付き合っておいて損はないです。

というよりも、会社を作った後に税理士と顧問契約は必須とも言えるので会社設立の段階からお付き合いをして、そのまま顧問契約を結ぶのも良い選択です。

しかも、安い。他で頼むと大体25万円掛かりますが、15万円前後で引き受けてくれます。

安くしてくれるのにはカラクリがちゃんとあって、会社設立後に顧問契約を結ぶことが条件です。会社規模によりますが、大体月々1~2万円くらいです。最初安くしておいて、長期的に回収するという算段なのでしょう。しかし、結局どこかの税理士と顧問契約を結ぶのであれば、最初からお付き合いしていた方が無駄がないとも言えます。

弱点は、具体的な登記手続きが出来ないという事です。これは弁護士、司法書士に依頼しない場合には検討事項ですので他とも一緒ですが。

もう1つ、後述する公認会計士と税理士は似ていますが全く違う職業です。

もし、勘解由小路さん(かでのこうじ、と読みます。誰だよ!とかいう突っ込みは無しです。)が税理士事務所を立ち上げたら、勘解由小路税理士事務所とか、税理士法人勘解由小路事務所とかいう名前をつけます。

一方、公認会計士事務所を立ち上げると、勘解由小路公認会計士事務所となります。

ですが、税理士なのに勘解由小路会計士事務所というような名前をつける先生が時々います。

税理士なのか公認会計士なのか分かりませんし、公認会計士を自称しているようにも見えますので、こういう事務所は避けましょう。

5.公認会計士に会社設立を依頼する場合

税理士と似ているものに公認会計士があります。業務の範囲も内容も似ているのですが、公認会計士の大きな特徴は、公認会計士が設立業務を担当できることです。

どういうことかと言うと、税理士に会社設立を依頼すると書類の作り方や節税などに親身に相談に乗ってくれますが、実際に法務局へ言って手続きをするのは依頼者本人です。これは税理士は登記ができないからです。しかし、結構どの税理士に会社設立を依頼してもやってくれます。これは、税理士が登記しているのではなく、税理士と業務提携している司法書士に仕事を投げているからです。実際に登記をしているのは司法書士です。

公認会計士の場合には、この手続きを自分ができますので中間マージンが発生しません。これは公認会計士の大きな強みです。

じゃあ、税理士じゃなくて公認会計士に依頼した方がいいじゃん、と思うのは早計です。

税理士は税務の専門家です。公認会計士には監査証明業務という独占業務があります。監査証明業務とは、企業の決算が適正なのかを確認して、報告、意見表明をする業務です。上場企業や融資を受ける企業が公認会計士に監査をしてもらって、外部からのお墨付きを貰っている事をアピールする事で信頼性を担保してます。

そのため、ある程度以上の企業は公認会計士とのお付き合いは必須ですが、3つの独占業務がある税理士とは分野が違います。節税を意識する場合には税理士の方が強いでしょう。

6.社会保険労務士に会社設立を依頼する場合

社会保険労務士、略して社労士とか労務士と言う事が多いです。最初は社労士と労務士は違う職業だと思っていました。

社労士が会社設立をする事は比較的珍しいです。専門的にやっているところを知りません。それは、他の士業に比べ、会社設立に関しては強みが少ないから勝負する分野を分けているのだと考えられます。

しかし、考えようによっては社労士に依頼する事で金銭的なメリットが生じることがあります。

会社を作った際には、社会保険・厚生年金・雇用保険などが付きまといます。このあたりは社労士の分野です。会社設立の段階で面倒な保険について相談しておくのは悪くない選択です。

更に言うと、社労士は助成金にも強いことが多いです。というよりも助成金の申請代行が認められているのは社会保険労務士だけです。助成金というのは、国とか地方自治体が主に雇用関係に出してくれるお金です。融資と違って返さなくて良いお金ですので受けられるものは全部受けましょう。

社労士は助成金に詳しいので、起業したばかりで資金繰りが厳しいなんて時に使えると非常に頼りになります。

ただ、惜しむらくは会社設立に強い社会保険労務士が少ないことか。

結局、どこに頼んだらよいの?

考えようによりますので一概にどこが良いとは言えません。

面倒な手続きを全て丸投げしたいなら司法書士が良いでしょう。

将来的に顧問契約を結ぶのだから設立の段階で税理士というのも良いでしょう。

許認可が必要だから行政書士というのもあると思います。

長く付き合うのは税理士です。一番身近なのも税理士です。

そういう意味では特別な事情がない限り税理士が一番良いのかもしれません。

もっと言うと、司法書士や社会保険労務士と提携している税理士が良いです。司法書士が居れば手続きを代行してくれるからです。ただ、外部委託をされると無駄なマージンを取られる可能性がある為、同じ事務所内に税理士、司法書士(または弁護士)、社会保険労務士がいる方がよりよいと言えます。

これが逆で司法書士事務所に税理士がいる、社会保険労務士事務所に税理士がいるだと駄目です。税理士と顧問契約を結ぶ代わりに会社設立が安くなる、という特典が使えなくなるからです。

なお、安いだけで選ぶべきではありません。会社設立は一生ものです。おかしな事務所に依頼するくらいなら最初は高くても、ランニングコストが高くてもちゃんとしたところが一番なのは間違いありません。とはいえ、最初の投資資金を確保するためにも金額は注力して見るべき項目です。